スポンサーサイト

  • 2019.05.15 Wednesday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -
    • -

    アリステアと貴緒と動物園のきりん

    • 2009.12.03 Thursday
    • 01:04



    アリステアが云った。

    「ひと休みしようよ。ぼくは少し疲れてしまったみたい、脚がジンとするや。このきりんところがいい。」

    彼は少し先に見えるきりんの大きなオブジェを指さした。たしかに少し疲れていた。何せぼくらは今日一日、ランチすら忘れる勢いでたくさんの物をみて、駆け回っていたのだから。
    一足先にキリンのオブジェの足元へ行ったアリスを、ぼくも少し早足になって追った。アリステアよりぼくのほうが駆け足は早いのですぐに追いつく。
    鉄柵に体重をかけ、休むアリスの横に立ち、同じように柵に身をあずける。

    「このきりんはいつからここに立っているのかな。さっき見た本当のきりんより長くここにいるのかしらん。」

    「さあ、どうだろう。でもきっとまだ新しいよ。」

    だって、黄色がこんなに鮮やかだもの。
    この古びた動物園のなかではきっと新しいものに入るだろう。

    「それじゃあきっとまだずっと、ずっと、ここに立っていなくちゃあならないんだろうね。」

    「まあね。アリスみたいにちょろちょろと動き回って、授業中に先生に怒られることはまずないだろうね。」

    と、ぼくがからかうような返事をする。
    アリスは少しむくれたような表情をしたが、すぐに何時もの顔にもどる。

    「貴緒だって、よく授業を抜け出してどこへだっていっちゃうだろう。」

    おんなじようなもんさ、と笑う。
    アリステアの笑った横顔に、傾きかけた陽が差して一瞬の間、視界が真っ白になった。

    「アリス、大変。もうこんなに陽が落ちている。ぼくたち、まだこれから獏のあかんぼうを見なくっちゃならないのに。」

    ぼくは、あわてて身を預けていた鉄柵から身体を離す。

    「本当。まだ、豹だって見ていないんだ。急ごう。」

    アリステアはそういってまた、ぼくよりひと足先に駆けだす。
    ぼくはまたすぐに追いつき、いつものように並んで歩いた。











    にほんブログ村 その他日記ブログへ にほんブログ村 写真ブログへ

    スポンサーサイト

    • 2019.05.15 Wednesday
    • 01:04
    • 0
      • -
      • -
      • -
      • -
      コメント
      コメントする








          
      この記事のトラックバックURL
      トラックバック

      PR

      calendar

      S M T W T F S
       123456
      78910111213
      14151617181920
      21222324252627
      28293031   
      << July 2019 >>

      ランキングリンク

      にほんブログ村 その他日記ブログへ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 イラストブログへ

      天体

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM