羽のはえた日

  • 2019.05.15 Wednesday
  • 00:41

ぼくの背中を擦りながら
彼女は云った
「あなた、親知らずは生えた?」
ぼくは
はい
と答える
「肉や皮膚を突き破って生えてくるの、
痛かったでしょう。」
彼女の手のひらが
ぼくの肩胛骨を
なぞる
「それと同じよ。」
ぼくの肩胛骨のあたりが
ズキンと痛む
「見えてきたわ。」
なんて痛いんだろう
声にならない悲鳴が
喉を枯らす
「がんばって、もう少し。」
食いしばる歯が
軋む
「もう、はんぶん。」
気がつけば
うずくまるシーツの上は
傷口から流れた血で
真っ赤に染まっていた
痛みに背中を丸めた
その拍子に
バサリ
と、音がした
「お疲れ様、羽が生えきったわ。」
羽が
生えきった
その声を後に
ぼくは眠りに落ちた
ぼくの
背中に
羽が生えた
天使のでも
悪魔のでも
鳥のでもない
ただの人間の羽
この羽で
ぼくは
どこかへ行けるのだろうか
ぼくは
どこかへ

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  • 2019.09.14 Saturday
  • 00:41
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